2007年6月12日更新


上手に創業したい!                   
知らないと損する
労務士の智恵!
 

1.再就職手当・助成金と事業開始日

 失業してから法人を設立する場合には、必ず職安で失業等給付の手続きをしましょう。再就職手当や創業関係の助成金を受給できる可能性があります。
 なお、法人設立登記の日が基準日になってしまうので、設立登記の日は慎重に選びましょう。創業関係の助成金には、設立前計画書を労働局に提出する必要があるものもあります。
 自己都合退職の場合には、3ヶ月の給付制限を受けます。この場合には、待期期間(7日)を開けて、1ヶ月経過後の法人設立も再就職手当の支給要件に該当するので、設立の日は、待期期間明けの2ヶ月目が良いでしょう。

2.社会保険について

@すべての法人は、社会保険に加入する義務があります実際には、会社が保険料を負担できる場合
A社会保険に加入すると、おおよそ12%人件費がアップ
Bパートさんも、月の出勤日数が15日以上で1日の勤務時間がおおよそ6時間以上なら社会保険への加入が必要です。
C手続ミスで2年間分の保険料が追徴されます。(60歳以上は年金の返還もありえます)

(1)社会保険への加入義務

 社会保険に加入する義務は、次のとおりです。

適用業種 任意適用業種
法人(人数に関わりなく) 強制適用 強制適用
5人以上の個人経営 強制適用 任意適用
5人未満の個人経営 任意適用 任意適用

 つまり、 有限会社や株式会社などの法人の事業所であれば、従業員数に関わり無く社会保険が強制適用されます。ただし、社会保険の新規加入には、なぜか審査があり、実際には社会保険料が負担できる法人が加入できます。
 しかし、医療法人など、社会保険料が当然負担できるであろう法人が社会保険に加入していない場合などは遡って加入させられます。

(2)コストとしての社会保険料

@月々の保険料

被保険者負担分 会社負担分
月給 健康
保険
介護
保険
厚生
年金
健康
保険
介護
保険
厚生
年金
児童
手当
合計 会社負担
 +月給
150,000 6,150 923 10,982 6,150 923 10,982 195 18,250 168,250
200,000 8,200 1,230 14,642 8,200 1,230 14,642 260 24,332 224,332
300,000 12,300 1,845 21,963 12,300 1,845 21,963 390 36,498 336,498
400,000 16,810 2,522 30,016 16,810 2,522 30,016 533 49,881 449,881
500,000 20,500 3,075 36,605 20,500 3,075 36,605 650 60,830 560,830

Aボーナスの保険料

 ボーナスには、支給額×保険料率の保険料が掛かります。

 <例>50万円の賞与支給の場合 

被保険者負担分 会社負担分
賞与 健康
保険
介護
保険
厚生
年金
健康
保険
介護
保険
厚生
年金
児童
手当
合計 会社負担
 +賞与
500,000 20,500 3,075 36,605 20,500 3,075 36,605 650 60,830 560,830


(3)社会保険のメリット

1…奥さん等がいる場合

 社会保険に加入すると奥さんなど創業者に扶養されている配偶者がいる場合には、サラリーマンのときと同様に第3号被保険者がなることができます。
 つまり、奥さんの国民年金保険料月額14,100円がお得に。

2…病気のときの所得保障=傷病手当金がある

 社会保険の大きなメリットに傷病手当金があります。傷病手当金は、療養ために4日以上仕事を休んで給料が受けられない場合に支給されます。支給額は、標準報酬日額の2/3です。月給30万円の方なら、1日6,667円が支給されます。

3.労働保険

ポイント
@アルバイトを一人でも雇い入れれば加入の手続をしないでも成立する強制保険
A手続していないで労災事故が発生すれば40%の費用が徴収されます。
 (死亡・重大事故で労災倒産)
Bパートさんも、週20時間以上で雇用保険に加入する必要があります。

(1)労災保険の加入手続きは忘れずにすること

 労災保険は、アルバイトを一人でも雇ったら、絶対に加入して下さい。
 労災保険は、たとえ事業主が加入手続きを忘れていても、労働者がケガをして、病院に仕事でケガをしたと言えば、当然に労災保険で治療を受けられます。
 死亡事故が発生して遺族が監督署に訴えれば、保険手続きをしていなくても遺族補償が支給されます。
 保険手続きをしていなくて、ごく軽いケガで治療が行われた場合なら、怒られるだけですむかもしれません。
 しかし、重大なケガや死亡事故の場合には、治療費の40%の費用が徴収され、死亡事故の場合などは、さらに懲役刑に処せられる可能性もあります。

(2)労災保険のコスト

 労災保険は、業務の危険度を考慮して事業の種類ごとに労災保険率が決められています。もっとも安い保険料ですむのは、その他の各種事業などで、年間賃金1000万円あたり5万円の保険料となります。一方、危険の大きいダムやトンネル工事では年間賃金1000万円あたり約13万円の保険料が掛かります。

(3)労災保険の補償内容

 労災保険では、仕事上のケガや病気と通勤でのケガを補償します。仕事上でのケガは治療費が無料です。また、仕事上のケガや病気が原因で、その治療のために働けないときには、休業4日目から平均賃金の80%(特別支給金も含め)が支給されます。

(4)雇用保険もかならず手続きしよう

 雇用保険も強制保険です。労災保険同様に手続きを忘れていても、労働者がハローワークに給与明細などをもって請求すれば2年前に遡って加入できます。
 また、助成金の多くは雇用保険から支給されます。したがって、雇用保険に加入していなければ、ほとんどの助成金を受けることができません。

(5)雇用保険のコスト

 雇用保険率は、一般の事業(建設業、農林水産業、清酒製造業を除く。)であれば年間の賃金総額の1.5%です。雇用保険料のうち0.6%は労働者負担、残り0.9%が事業主負担となります。つまり、年収400万円の労働者を雇用すると60,000円が雇用保険料となり、労働者負担が24,000円、事業主負担が36,000となります。

年収400万(月給25万円、賞与年4ヶ月)の年間雇用保険料

事業の種類   年間保険料   事業主負担額 被保険者負担額
一般の事業 60,000 36,000 24,000
農林水産、清酒製造 68,000 40,000 28,000
建設の事業 72,000 44,000 28,000


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