2003年5月25日


 労務士選びでをしないために!

 真剣で熱心なあなたに、「良い労務士]とはどんな労務士なのか、労務士選びのコツを教えます。

  「良い労務士」とは、どんな労務士なのでしょうか?

 報酬が安い労務士ですか?

 報酬だけで判断するなら、簡単です。できるだけたくさんの労務士から見積書をとれば良いのですから…

 ところで、あなたは何を労務士に依頼するのですか? そして、依頼理由は明確になっていますか?


 ・人事労務管理の問題を解決したい!

 ・従業員を使う上での悩みを相談したい!

 ・企業年金、退職金で会社をつぶしたくない

 ・人件費を削減して、会社を存続させたい!

 ムダに社会保険料を納めたくない!

 ・従業員のやる気を引き出したい

 ・就業規則を作成し、トラブルを未然に防ぎたい

 ・企業を発展させる相談相手が欲しい!

 助成金をもらいたい!

 ・事務をアウトソーシングして、経費を削減したい!






 
 理由は色々あると思いますが…

 まず、「顧問報酬でどこまでやってくれますか?」と、大まかに質問してみて下さい。

 次に、「例えば、人を採用するときは、どんなアドバイスと手続きをしてくれますか?」と尋ねてみて下さい。

 というのは、労務士によって仕事の中身が全く違うからです。

 具体例で説明しましょう。新米時代(平成5年)の失敗談です。

※登場人物や企業名は特定できないように、内容の一部を変更してあります



平成5年1月に社会保険に加入したばかりの社長さんから
社 長 「3月31日に○○君が入社した。2ヶ月間は試用期間だから…」
新 米 「奥さんと連絡を取って、手続きします。」
と、すみやかに社会保険の加入手続きを行いました。
ところが、4月7日頃、保険証をお届けにいくと…
社 長 「○○君は、4月5日で辞めたヨ。試用期間だって言ったのに!
どうして社会保険に入れちゃったの?」
新 米 「試用期間中も社会保険に加入しなければいけないので…」
社 長 「たった4〜5日で保険料払うの?納得できない!」
新 米 「でも…」
社 長 他に方法はなかったの?
新 米 ハイ。」(力強く断言。)

 実は、他に方法はあったのです。研究不足で思いつかなかっただけでした

 今なら、社会保険に加入しなくて済む労働条件の契約書を作って、社長さんの希望に添うことができます。

 開業当時は、単なる「事務手続き」しかできませんでした。





社 長 
「例えば、人を採用するときは、どんなアドバイス手続きをしてくれますか?」
労務士  「職種とニーズに応じて、正社員、パート、アルバイト、短期契約社員、派遣等の使い分けをご提案します。
 労働条件は、正社員なら○○、パートなら○○、……。

 こうすれば助成金を活用できます。その方法ですが、○○を……。

 求人誌○○を使って、こんな表現で特集を使うと良いと思います。」
社 長 「なるほど…。」
労務士   採用面接シート、適性検査など選考についてのアドバイスも行っています…」
採用決定に至った場合には、雇用契約書、誓約書の作成…(略)」


 良い労務士であれば、事務手続きだけでなく、採用計画、求人・選考方法、適性検査、事務処理、新入社員教育等の一つ一つに、研究と実践の中で培われたノウハウを持っています。





 70歳の個人経営の社長さんが、廃業か、存続かで悩んで相談にいらっしゃいました。
(個人事業主ですが、社長と表記させて頂きます。)


 その町工場は、60代後半の従業員4人で社会保険に任意加入していたので、私は愕然としました。
 
 なぜなら、従業員5人未満の個人事業主には、社会保険加入の義務がないからです。

 つまり、社会保険を脱退すれば、従業員は老齢厚生年金を減額されることなく満額年金を受け取りながら働き続けることができたのです。

 もし、5年前に脱退していれば、従業員4人で少なくても2,000万円位の年金を受給できたはずです。

 そして、社長さんも約700万円(5年間)の社会保険料を余分に払わなくて済み、高年齢雇用継続給付を活用して賃金を見直しをしていれば、5年間で数千万円の人件費の節約もできていたでしょう。



 社長さんは、ある労務士と契約していて、事務はしっかりと処理がされていました。

 ただ、その労務士は、「顧問先にとって何が得になるのか?」を考えてアドバイスしていなかったのです。

 残念ながら、時すでに遅し!

 社長さんがどれだけ損をしていたかは、お気の毒でお話しできませんでした。数日後、社長さんは廃業を決断されました。 



 

 変化の激しい時代、専門家の知恵を借りないで諸問題を解決するのは、難しくなっています。

 問題解決のアドバイスを受けるための「良い労務士」を選ぶときは、次の質問をしてみて下さい

※「適格退職年金の移行」を例に説明させて頂きます。

@講演・セミナーの講師は、年に何回位つとめていますか?」

A
適格退職年金の移行を何件手がけられましたか?」

B「一ヶ月の書籍購入費は? 最近、読まれた本は?」

C「必要に応じて、従業員又は労働組合に対して、先生が直接説明して頂けますか?

 コンサルティングを重視している労務士は、講演・セミナーの講師をかなりこなしています。

 解決すべき問題が明確になっているのなら、実績を質問してみて下さい。喜んでそのノウハウを話し始めるでしょう。

 実績がない若手労務士には、書籍購入費等を尋ねて、研究熱心かどうかを確認しましょう。
 労務士は法律知識と労務管理のノウハウを売っております。月に少なくとも3〜4冊は読まなければ研究熱心とは言えないでしょう。

 専門家である労務士が、従業員に直接説明をすればスムーズに解決できる問題はかなりあります。
(労働争議にまでこじれた場合は介入できないことになっています。)


 困った問題に直面して従業員に話さなければならないとき、あなたの横に専門家である労務士がドンと座っていれば、どれだけ頼りになるか想像してみてください。





社 長 「はじめまして、実は人件費を20%カットできなければ融資できないと銀行から言われてしまったんですけど…、 労働組合があって、どこに相談していいか判らなくなって…」
労務士  「なるほど…労働組合は厳しい経営状況を知っているんですか?」
社 長  「具体的に知りません。赤字で毎年賃上げをしているので…」
労務士 「まずは経営公開です。私も同席します。決算書で経営状態を説明しましょう。よろしいですか?」

 労働者に頭を下げ、現状と必要な情報を包み隠さず公開し、率直に労働組合の協力を求めました。労働組合との真剣な交渉で、基本給削減と諸手当見直し、残業単価引き下げも含め、「人件費20%カット」の合意に達し、倒産の危機を乗り越えました。現在は、お客様の声を活かした日々のサービス向上の中で、業績を順調に回復しておられます。  





 経営者は基本的に孤独です。人事労務の面では、社員と相談するわけにもいきません。
 そこで、「相談相手としての労務士選び」のコツですが…

 とりあえず、講演会・セミナー等で話を聞いてみてはいかがでしょうか?労務士の考え方や性格をつかみやすいでしょう。

 そして、気軽に相談してみましょう。顧問契約が前提であれば、初回は相談無料の事務所が多いようです。

@社長の話を良く聞いてくれること。

A時々、社長の話を要約して、整理できること。

B状況をつかんでから、意見を言ってくれること。
 
 「相談相手としての労務士選び」の最大のポイントは、聞き上手かどうかです。
 加えて、難しい専門用語を使わない労務士が良いと思います。わかりやすい言葉で説明できないことは、本当に理解しているとは言えないからです。 


 労務士の役割は、「労務管理の面から、企業の永続的な発展従業員の幸福に貢献すること。」だと思います。「労務士はこうでなければならない!」との思いで書きました。
 ここまで読んでいただいた方に感謝いたします。
 良い労務士が見つかりますよう、お祈りいたします。

社会保険労務士法人ローム

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